Archive for the 'Bicycle' Category

我スプリントす

金曜日, 3月 19th, 2021

 なんとスプリント区間タイムでトップになり、ポイント賞ジャージをもらってしまった。ツールだったらマイヨベルデ、ジロだったらマリアチクラミーノ、ヴエルタならマイヨプントスですよ。プントスプントス、我スプリントす。

 ついでに最高出力が600Wを超えたとかで、スペシャライズドのターマックが当たってしまった。バーチャルだけど。

 こうして適当にユーザーをおだてておけばサブスクリプションも切られないだろうというサービス側の目論見も感じないではないが、スプリントで他人を出し抜くのはリアルでは不可能なので、こうして自慢する程度には嬉しい。

 プロテイン飲んで寝よう。

負荷バカ

日曜日, 3月 14th, 2021

 ローラー台に取り付けた自動負荷装置の要・不要問題。それを問題にしているのは私だけのような気もするが、それなりに「要」も見出しつつある。

 半固定式のGT Rollerについて、私はペダリングで重心が揺れるところにリアルさを感じていた。つまり固定式より不安定なのが良いのである、と。

 実際、下手をするとコケる。私はサドルを跨ぐ際に足を滑らせ、ローラー台ごと倒してしまい、GT Rollerの命であるモーションコントローラー、平たく言うとフロントフォークを支えるスチールの棒を曲げて、メーカー送りとなった。購入1週間目くらいの出来事であった。気をつけられたし。

 世間で言われる半固定式のメリットは「ダンシングできる」こと。要するに立ち漕ぎなのだが、私はやったことがなかった。負荷が軽いと、立とうとするだけでペダルが回ってしまい、腕とハンドルで身体を支えなければならないから。立ち漕ぎするなら手動で負荷を高くするか、ギアを上げる必要がある。だけど軽い負荷で楽できる。それがローラーの良いところではないか。

 人間というものは、わざわざ自分に試練を与えるような選択をしないものだ。立ち漕ぎなんて、世間に出ればいつでもできるじゃないか。苦労なんてシャバですればいいのだ。ゲームに課金までしてするものではない。

 そんな人間に対しても、容赦なく試練を与えるのが自動負荷装置だ。レース映像のような画面のせいなのか、放っておくとアバターにごぼう抜きにされるのがよほど嫌なのか、その理由は分からないが、山岳やスプリントの計測区間が現れると自然にムクっと立ち上がり、その結果としての区間タイムや順位まで確認するようになった。人間というのは変わる。環境次第でいくらでも。

 なにより高い負荷から解放された束の間に、ちょっとした快楽が訪れることに気付いてしまった。つらい山岳路が大好きな人を「坂バカ」と言ったりするが、だったらこっちは「負荷バカ」だと思う。齢57にして私もそんなバカになってしまったのかも知れません。

スマートって何だろう

日曜日, 3月 7th, 2021

 Zwiftをやるにあたって、GROWTACというメーカーのGT-ROLLER F3.2というローラー台を買った。

 ローラー台というのは、自転車をエアロバイク化するもので、ウォームアップや屋外で走れない時のトレーニングに使う。競輪選手が使うような「3本ローラー」と、ロードの選手が屋外で使う「固定ローラー」がその代表。

 3本ローラーは前後輪のジャイロ効果で自立するから、前に進まないだけでバランスの取り方は実際と同じ。その代わりうっかりすると転倒するし、車輪は高速で回転しているから大変だ。それに音が喧しい。

 後輪の車軸を固定する固定ローラーには、そうしたリスクはない。その代わり自転車もガッチリ固定されてバランス感覚は用がないし、ペダルに何かを引きずる抵抗を感じるだけで面白くない。あれはプロが高い意識を持って修行に使う道具だと思っている。

 その点、GT-ROLLERは、なかなか楽しい。前輪を外してフォークを固定し、後輪を2本のローラーに乗せる「ハイブリッドローラー」。3本ローラーと固定式の折衷案のようなもので、左右に振れる後輪の動きは3本ローラーに近く、フォークを固定する支柱も前後左右に動くので、バランスを取りながらペダリングしている感覚も得られる。

 これでZwiftのコースをポタリング感覚で2ヶ月ほど楽しんだ。自転車にスピードセンサーかパワーメーターが付いていれば、どんなローラー台でもZwiftはできるが、Zwiftに特化したような「スマートトレーナー」というものもある。略してスマトレ。

 多くは後輪の代わりに装着するスタンドのようなスタイルで、トレーナー側のギアにチェーンをかけて駆動する。パワーの計測もできるし、コースの勾配と負荷の連動もできる。要するにZwiftの入出力に対応した自転車用インターフェースのようなものだ。

 笑っちゃうのは勾配に応じて前輪が持ち上がったり、速度によって風力が変わる扇風機のようなオプションまであること。「うおおお、激坂苦しい」「空気抵抗があああ」といった、現実の道を走れば必ず巻き起こる悲喜交交の感情をネットサービスがもたらしてくれるのだ。そんなスマートって何だろうと思わなくもないが、VR的な演出としては王道だし、やってみたら多分面白いだろう。

 それでもローラーの仕組みは固定ローラーと同じだから、自転車はトレーナーにがっちり掴まれたまま。そこは各社工夫を凝らして実走感を追求しているようだが、おおむねデカいし、試しに買うには値段も高い。その点、GROWTACはコンパクトで、日本製の割にそんなに高くはなかった。

 そんなGT-ROLLERにも、別売の負荷ユニットを取り付けるとスマトレ化できるという。もちろんやってみた。で、今のところの感想は、やはり「スマートって何だろう」。

 屋内サイクリングのメリットは、自分のペースで好きなだけペダルを回し続けられることだ、と私は思っている。公道に出ると信号や他の交通もあってペースは乱れるし、坂や風も同じように邪魔をしてくる。だから「ああローラーっていいなあ」と満足していた。そのメリットを台無しにする装置を、わざわざお金を払って取り付けてしまったのだ。

 もちろんトレーニングにはなるのだろう。苦難は人を鍛える。ただ私は有酸素運動で気持ち良くなりたいだけの不届き千万な素人だ。慣れてしまえば脚にわずかな重さを感じるだけで現実の坂を思い浮かべ恍惚となれる、そんな日が来るのかも知れないが、今のところ苦しみの値が増減するだけだし、そもそも坂は苦手だ。

 もう少し様子を見たい。

Zwiftを始めた

土曜日, 2月 20th, 2021

 北海道に帰ってきて太り、コロナで太り、減量要素の一切ない生活のおかげで大変なことになってきた。着るものがなくなっても買えばいいが、そろそろ軽いカーボンバイクの重量制限に引っかかる。これはヤバい。乗れる自転車がなければ買えない。買えないのが何よりつらい。

 そこで一念発起して、引越しのために分解したままだったロードレーサーを組み立て、Zwiftを始めることにした。今年は一念発起することが多い。いちいち一念発起でもしないと腰が重くて動かないのだ、物理的にも。

 一応は室内サイクリングアプリということになっているが、人によって見方はいろいろあるはず。トレーニングツールでもあり、レーシングゲームでもあり、その観戦用アプリでもある。こないだフランク・シュレクにフォローされて嬉しかったりしたから、SNSでもある。

 ローラー台のような屋内トレーナーは忍耐力の試される苦行だったが、Zwiftをにはそれを一切感じない。このために買ったGrowtacのハイブリッドトレーナーの出来がすごくいいのもあるが、サイクリスト向けのネットサービスとしてツボを押さえた作りに感心するし、用意された世界に積極的に没入することさえできる。

 スマートトレーナーの需要増で経営を持ち直したメーカーもあるそうだし、インドアサイクリング専用のウェアやシューズなんてものも売られているから、もう自転車趣味の一角を占めるジャンルになっているのだろう。

 最近はマウンテンバイクとロードレーサーの中間のようなグラベルロードというタイプの自転車が人気らしいが、あれは室内でトレーニングしている人が、どうせ実世界を走るならサイクリングロード以外も走りたいというので買っているのではないか。なんて他人事のように説明しながら私はグラベルロードを買おうとしている。

 私の自転車操業は続く。