また9ヶ月ぶりの更新。

 ギターを買いました。だけどギターの話なんてどこに書いても読む人なんかいないので、ここに書いてしまえ、と。

 事前に言っておきますと、ギターは小学生の頃からやっているくせに、ギターそのものには、つい最近まで、まったく興味ありませんでした。ネックがどうした、ピックアップがどうした、アルダーがマホガニーがライトアッシュが、というような話は、ろくに音楽もやらない機材マニアのスカポンタンがやるものだと思っていて馬鹿にし続けていたのです。本当にすみません。

 と、まず謝ってしまうしかないのは、これからそういう話を、おそらくは度々するようになるからです。つまりろくに音楽もやらないスカポンタンとしての自覚がしっかりできたわけです。もうすぐ死ぬんだから許しなさい。

 で、興味がないとは言っても、シングルコイルかハムバッキングか、ハコかソリッドか、それくらいの音の違いは認識していましたし、弦はやっぱりボトムヘヴィがいいとか、アームが付いていないのはイヤとか、木目調やサンバーストは勘弁してくれとか、できれば24フレットがいいとか、奏者としてその程度の要求は持っていたものの、最終的に歪ませて信号処理してしまえば、ギター自身の些細な音の違いなんて再生音にほとんど影響はないわけだから、そんなところにお金をかけるなら、テープでも買うわいくらいの勢いだったのですね。

 要するにギターは録音する素材のうちのひとつだったわけです。大昔のオープンリールなんて、30分も録れないのにメディアは何千円も何万円もするし、トラックは4つとか8つとかしかないし、大変だったんですから。はい。以上、80年代前半までの昔話でした。

 それで一昨日、ギターを買ったんでした。アームも付いていない木目調、と言うよりも木目丸出しの、たった22フレットしかないヤツを。しかも大嫌いなテレキャスターだって。何だそれ。

 ここで私は何故テレキャスターが嫌いかという話をしなければならないのですが、そろそろ眠くなってきたので、それは先送りにするとして、買ったギターは表題の通りでBacchusのT-MASTERというモデルです。

 これは最高です。今まで買ったギターの中で一番弾きやすいんじゃないだろか。テレキャスターの物理的にダメなところ細かく潰していったら、元々のギターの設計として優れていた部分が明るみに出たという、レオ・フェンダーさんは日本のギター製作者に感謝しなさいと言いたくなるような、それくらいの楽器です。

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 昨日は「浅草電子楽器製作所」、略して「ASADEN」のお店のオープニングに行ってきた。オンド・マルトノの製作家が自力で作ったバー兼ショールームで、大阪の電氣蕎麦と並ぶ電子楽器スポットとして今後の展開に期待せざるを得ない、非常にいい感じのお店でした。

 オンド・マルトノというのは、テルミンを発展させた初期の電子楽器で、クロマチックスケールの演奏とポルタメント奏法が共存した面白い楽器なわけです。押圧を受け付けるトゥーシュというボタンで音量を操作しながら、鍵盤を押し下げるか、リボンを横に動かすことで音程を操作。鍵盤を揺らせば音程も変化し、リボン演奏時には鍵盤の位置が目安になるので音程を取りやすい。

 などと知った風なことを書いていても、実は現物を見たことはない。演奏法についてもASADENが出しているiPadアプリ「Petites Ondes」でしか知らないわけです。

 故に本物への期待は高まっていたのだが、残念ながらまだ楽器は稼働状態にはなかった。しかし、一階のバーのバーのカウンターはオンド・マルトノのキーボード、そしてお店の壁や天井にはスピーカーが埋め込まれ(何故か隣家の壁面に向けて取り付けられたユニットもあったり)、お店全体がオンド・マルトノのような構造になっていた。とりあえずiPadアプリの音源で演奏してもらったが、これで本物が鳴ると感動モノじゃないだろうか。

 二階はショールームになる予定だそうで、オンド・マルトノ用のあの特徴的な形のパルムスピーカーや、まだ製作中の楽器が置いてあった。ただし、小さな螺旋階段を昇り降りするのが大変なので、酔っ払う前に上がったほうがいいかも。一階にはミニチュアのパルムもあって、ちゃんと弦とボディーの共鳴でリバーブがかかって聴こえるのがすごい。

 カウンターに3人がギリギリ。詰め込んでも7、8人くらいの広さ。にも関わらず、近所のお店のママみたいな人から、いかもにあなた電子楽器界隈の人ですよねえ、みたいな人たちが入れ代わり立ち代わりやって来ては、それぞれ初対面であるにも関わらず、常連客のように馴染んでいたのが面白かった。

 メニューはワインとエスプレッソと鹿肉のソーセージのみ。ソーセージは500円で3本出てきて安いし美味しいのでオススメです。

 ところで、前からパルムスピーカーは何かの宇宙人に似ていると思っていたら、「後ろにパルムスピーカー背負ったうえに、手つきがかなり熟練したテルミン奏者っぽいとこが気になってしかたなかった」と、それがフラットウッズ・モンスターである事をクラフトワイフ2号さんから教えて頂きました。

浅草電子楽器製作所 http://asaden.net/

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 去年の今頃、寺田さんが「買った買った」と自慢していたのを思い出し、某編集部のM君にJAWBONE JAMBOXを借りてもらった。これがただのスピーカーのくせにやたら面白い。

 音がいいとか使いやすいとか、オーディオ機器を使った感想は大体そんなもんだけど、「面白い」と思ったのは初代のウォークマンやiPod以来じゃないか。要するに革命的な何か。

 Bluetoothで無線接続して、内蔵バッテリーで駆動する。バッテリーをウエイト代わりに使ったパッシブラジエター式で、サイズの割に低音は出るから帯域バランスも取れていて、ちょっとびっくり。上下がラバーで覆われているのは、低音でブルブル震える本体を制振する必要からで、手触りがどうのという話ではない。パッと見、オシャレグッズのようだけど、至極真っ当な機能主義的デザインなのだ。

 音質に関しては、このサイズからくる意外性がすべてのような気がするけど、このスピーカーは喋るんですね。しかもメーカーサイトで、いろんな言語のいろんな声がダウンロードできる。僕は英語のセクシーボイスなお姉さんの声にしている。「私スイッチ入ったわ」とか「ペアリングするわよ」とか「バッテリーがないの」とか色々言う。

 それで電話がかかってくると相手の電話番号を読み上げてくれる。言うのを忘れていましたが、HSP/HFPにも対応しているので。だからスマホとペアで使うのは楽しい。ただ、このガイド音声の音量は調整できないらしい。ちょっと声がでかいので夜は困ります。どうにかなりませんか。タオルでぐるぐる締め上げてスイッチ入れるのも変態っぽいので。

 それとBluetooth特有の残留ノイズのようなものはあって、常時「キー」とか「ミー」という音がしている。だから小音量で近い位置で聴くのはちょっと辛いけど、そこは諦めるしかない。

 重量は327g。持ち運びが簡単で、まともな音のする、無線接続のスピーカー。これが何をもたらすかというと、ひとつは長らく忘れられていた「ながら聴き」です。

 最近の日常というのは、facebookやtwitterを中心にして動画を見たりwebの記事を読んだり。それを寝っ転がってiPadでやるわけだけど、その間、音楽はずっと聴いていなかった。iPad内蔵のスピーカーは目の前すぐの位置で鳴ってくれるし、音もしょぼいから段々気分がやさぐれてくる。何だかゲームをやっているみたいで。

 でもJAMBOXをそこら辺に転がしておけば、この問題は解決してしまう。本を読みながら、ちょっと遠くで鳴っている音楽を聴くというような、これまた至極真っ当な体験をiPadのような端末で取り戻せるわけですよ。おかげでYouTubeはあまり観なくなったかも。

 で、いま気になっているのは、さらに小型のfoxL V2。

 昔からAirMac Expressは使っていて、無線の便利さは知っていたけど、その利点を製品として上手くプレゼンテーションできていなかったんじゃないか。ポストPC以降の端末は、そもそも電波がなければ成り立たないのだから、この種の「スマートオーディオ」とでも言えるような製品は、これから増えてくると思う。

 この記事のタイトル「イヤフォンを外す気にさせる音のどこでもドア」はかなり言えてます。

 Back to the Speaker!

今年最強だったのが、VOX amPlugの取材。

この「けいおん!」版が実は真面目な製品だということは、第一弾が出た当初に別の企画の方から聞いてはいたけれど、驚いたのはこのエンジニアの人達の楽器の上手さ。撮影前の慣らしで適当に弾いているフレーズが、まず素人じゃなかった。高い演奏技術はそれを表現する音も要求する。その彼らが設計するアンプのクオリティや推して知るべし。これで楽器を始められる人は本当に幸せだと思う。僕なんかラジカセのマイク入力につないでたからね。

そして演奏を見ながら考えていたのは、この会社の採用について。単に学校の成績が良かったり、立派な研究者だけを採用しても、ああいう組織にはならない。類は友を呼ぶと言うけれど、その秘密が実は一番知りたい。

iZX

iOS版GarageBandのアンプシミュレーターを試すために、「iXZ」というオーディオインターフェイス、というより4極ミニプラグの変換アダプタ(?)を買った。

記事ネタに必要というのもあったけど、手タレPと楽器フェアに行って現物を見たら、ちょっと可愛くて欲しくなったのだった。

iOSディバイスのイヤホン端子は、マイク入力も兼ねた4極接点仕様。それを利用したもので、似たような製品にiRigがあるけど、あっちは入力がモノラルフォーンだけなのに対し、こっちはXLRとの共用端子が付いている。単3電池2本でファントム電源も供給OK。

構造的には入力信号のインピーダンスとゲインを調整しているだけだから、僕みたいな電子工作音痴でも簡単に作れるんじゃないかと思ったら、4極プラグの接点が小さくて、ハンダ付けはものすごく難しいらしい。

マイク入力を使っているせいか、ゲインを上げるシミュレートではノイズが多い。XLR端子にRODE NT1をつないでみても若干ノイジー。iRigもノイズは同じようなものだったから、たぶんiXZの問題ではないと思う。

でもiPhoneで簡単にマルチトラック録音ができてしまう愉快さに比べたら、そういう細かい部分はどうでもいいような気がした。

それで、ちょっとジェフ・ベックしてみた。