とうもろこしの噂は本当だった

 最近はSNSでの発言も少ないし、一体お前は何をやっているのだ? と、度々訊かれるのでまとめて答えますと、気がつくととうもろこしを買っては、うまい食い方を追求するような毎日です。

 この時期、近所のファーマーズマーケットへ行くと、ゴールドラッシュや恵味のようなフルーツコーンが安く手に入る。朝もぎは生で食べるとおいしいから、近隣住民による争奪戦が連日展開されている状態で、だいたい午前中で売り切れてしまう。

 どうして私の分を残してくれないのだ! という怒りが今回の研究のモチベーションの一つ。朝もぎはうまい。収穫から時間の経っていないものほど偉い。そう昔から言われてきたが、本当にそんなにうまいものなのか? きっとみんな騙されているんだろう。こんな風にまず疑うところから入るのは性格上やむを得ない。そして実験だ。

 中華製の糖度計を買って測ってみると、概ね15度から17度くらい。中には18度を超えるようなものまであった。最高級の夕張メロンだって糖度保証は13度だから、これは農作物の下克上ですよ。

 でも常温で放っておくと、3日で7度。冷蔵庫の野菜室でも、7日で4度は落ちてしまう。そりゃあ朝もぎに殺到するのは当然で、値段も倍くらいするスーパーで買うのは、北海道においては敗者でしかない。

 でも、すぐ茹でて冷やしておけば、おいしいよ。と、敗者に向けて昔から囁かれてきた甘い言葉もある。朝もぎなんか滅多に手に入らない都市部で、もしとうもろこしをうまく食べる方法があるとしたら、それしかないわけだが、それは本当なのか?

 まずは、どんな風に茹でるのがいいのか。とうもろこしを栽培している農家に聞くと、沸騰したお湯に皮付きのまま投入して再沸騰する前に上げる。あるいは、水から茹で始めて沸騰する前に上げる。これが二大調理法らしい。おそらくどっちも同じ正解にたどり着く方法なんだろうけど、お湯の量や、投入するとうもろこしの量によって、温度曲線や時間も違うはずだから実験だ。

 今のところの最良の結果は、皮をむいた1本300g程のとうもろこしをバキュームパックに入れ、沸騰した6リッターのお湯に4本投入して、5分で過熱を終えるというプロセス。あるいは85℃30分の低温調理。これで糖度の降下は最小、かつ冷蔵すると加熱前の糖度に戻るという、お得な現象を確認している。この現象を「敗者復活湯煎」と命名した。

 このパックを冷蔵し続けたらどれくらい持つのか。そのまま冷凍してしまえば冬の保存食になるのではないか。そうしたうまいとうもろこしの民主化が今後の研究課題となっており、朝もぎを真空パックにした市販品を買ってきては試食したりもしている。プロが処理したものがあるんだから、それを買ってくれば手っ取り早いんだけど、自分でやって確かめないと気が済まないのも性格上やむを得ない。

 ところで、私が過ごした小中高時代の北海道に、こんなに甘いとうもろこしはなかった。昔ながらの歯に挟まって困っちゃうような品種はもう残っていないのか。ああ、70年代は良かったなあ。そういったノスタルジーに応えてくれる、おっさん向きとうもろこしの栽培農家も探しております。ご存知の方はご一報を。

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