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 去年の今頃、寺田さんが「買った買った」と自慢していたのを思い出し、某編集部のM君にJAWBONE JAMBOXを借りてもらった。これがただのスピーカーのくせにやたら面白い。

 音がいいとか使いやすいとか、オーディオ機器を使った感想は大体そんなもんだけど、「面白い」と思ったのは初代のウォークマンやiPod以来じゃないか。要するに革命的な何か。

 Bluetoothで無線接続して、内蔵バッテリーで駆動する。バッテリーをウエイト代わりに使ったパッシブラジエター式で、サイズの割に低音は出るから帯域バランスも取れていて、ちょっとびっくり。上下がラバーで覆われているのは、低音でブルブル震える本体を制振する必要からで、手触りがどうのという話ではない。パッと見、オシャレグッズのようだけど、至極真っ当な機能主義的デザインなのだ。

 音質に関しては、このサイズからくる意外性がすべてのような気がするけど、このスピーカーは喋るんですね。しかもメーカーサイトで、いろんな言語のいろんな声がダウンロードできる。僕は英語のセクシーボイスなお姉さんの声にしている。「私スイッチ入ったわ」とか「ペアリングするわよ」とか「バッテリーがないの」とか色々言う。

 それで電話がかかってくると相手の電話番号を読み上げてくれる。言うのを忘れていましたが、HSP/HFPにも対応しているので。だからスマホとペアで使うのは楽しい。ただ、このガイド音声の音量は調整できないらしい。ちょっと声がでかいので夜は困ります。どうにかなりませんか。タオルでぐるぐる締め上げてスイッチ入れるのも変態っぽいので。

 それとBluetooth特有の残留ノイズのようなものはあって、常時「キー」とか「ミー」という音がしている。だから小音量で近い位置で聴くのはちょっと辛いけど、そこは諦めるしかない。

 重量は327g。持ち運びが簡単で、まともな音のする、無線接続のスピーカー。これが何をもたらすかというと、ひとつは長らく忘れられていた「ながら聴き」です。

 最近の日常というのは、facebookやtwitterを中心にして動画を見たりwebの記事を読んだり。それを寝っ転がってiPadでやるわけだけど、その間、音楽はずっと聴いていなかった。iPad内蔵のスピーカーは目の前すぐの位置で鳴ってくれるし、音もしょぼいから段々気分がやさぐれてくる。何だかゲームをやっているみたいで。

 でもJAMBOXをそこら辺に転がしておけば、この問題は解決してしまう。本を読みながら、ちょっと遠くで鳴っている音楽を聴くというような、これまた至極真っ当な体験をiPadのような端末で取り戻せるわけですよ。おかげでYouTubeはあまり観なくなったかも。

 で、いま気になっているのは、さらに小型のfoxL V2。

 昔からAirMac Expressは使っていて、無線の便利さは知っていたけど、その利点を製品として上手くプレゼンテーションできていなかったんじゃないか。ポストPC以降の端末は、そもそも電波がなければ成り立たないのだから、この種の「スマートオーディオ」とでも言えるような製品は、これから増えてくると思う。

 この記事のタイトル「イヤフォンを外す気にさせる音のどこでもドア」はかなり言えてます。

 Back to the Speaker!